2017/01/08

心筋障害の分類に関して(Classification pf patients with myocardial injury)

特に腎疾患は関係なく、心筋障害の分類に関して触れてみよう。
これに関してはHeart 2017の論文が参考になる。

個人的には知らなかったのだが、この論文では心筋梗塞の原因を5+αで分けている。
Type1:冠動脈粥種や破裂に伴う心筋虚血
Type2:心筋への酸素需要と供給のバランス不良に伴う心筋梗塞
Type3:心筋梗塞に伴う突然死
type4a:PCIに起因する心筋梗塞
type4b:ステント塞栓に伴う心筋梗塞
type5:心臓外科手術による心筋梗塞
injury:様々な原因によるもの(急性、慢性を問わず。)

この論文で面白いなと思ったことは、type2の心筋梗塞はtype1と同じように年齢が上昇するにつれて増加している。
では、慢性腎臓病などの腎疾患がある人は、type2の心筋虚血が通常の年齢よりも早まらないのかな?と思ってしまう。

また、この論文の中でアルゴリズムがあり、トロポニンの値が一つの指標になっている。トロポニンは腎不全患者では高くなることが知られている。ただ、高くなりやすいが、正常値よりも高い症例では低い症例に比べて左室収縮能の低下などあることも報告されている。

心臓にフォーカスを絞ってみると、本当に腎臓との関係性がよく見えてくる。