2010/01/27

master of all trades

 "Jack of all trade, master of none"という言い回しがある。これは一方でgeneralistは器用貧乏になりがち、という意味である。他方では専門に偏りすぎてもいけない、という戒めでもある。今月は内分泌内科専門医がattendingであったので、糖尿病の管理や甲状腺疾患、ビタミンD欠乏症と副甲状腺機能亢進症まで、彼の専門分野については耳にタコができるほど学んだ。専門家だから聴ける高尚で深い知見は刺激的でもあった。
 ただし、今月学んだこれらの専門的な診療がはたして一般医家にも受け入れられるかというとそうでもない。他の指導医(とくに総合内科医)と働いた場合には、「そんな風に診療する必要はない」と言われるかもしれない。総合内科の指導医と勉強すると何でもオールラウンドにカバーして学べるのだが、どうにも深みがない。基本的にガイドラインに沿った診療で、専門的判断は各専門科医に任せることになる。
 そこで私が勉強したい道は、まずとことん何か一個専門を学んで、そこから周辺領域にも理解を深めていくやり方だ。腎臓内科はその点、周辺領域が広い(糖尿病、高血圧、心血管疾患、腎炎、移植と免疫抑制、緊急透析とcritical care、など)。ここまで医学が専門分化すると、結局master of oneで精いっぱいというのが現状だとは思うけれど、一生懸命勉強してmaster of all tradesを目指したい。