2010/06/29

Objectives

 さて、MICUも終り、ほっと一息ついている。今月は活き活きと楽しくかつアグレッシブに仕事ができて充実していた。同時に課題も発見した。ひとつは、手技ができるのは良いとして、これからはそれを人に教えたりトラブルシュートしたりできる必要がある。手技を英語で教えるのはなかなか難しい。スポーツを教えるようなものだ。「針を進めて(go in)」「ゆっくり引いて(come back slowly)」「ガイドワイヤーを通して(feed the guide wire)」など。

 二つ目は、sickな状況にもグレードがあって、分単位、十分単位、一時間単位、数時間単位、一日単位を争うというようにそれぞれ対応が異なることだ。すべての状況が、患者さんに飛びかかるようにやれ挿管だラインだとドサドサやる必要があるわけではない。すべての出血が、緊急手術や緊急内視鏡、緊急血管造影が必要なわけではない。リスク査定が重要だ。

 三つ目は、すべての侵襲的手技は確実に行わなければならないということだ。あせって合併症を起こしたり、手技に失敗しては元も子もない。だから、そもそもその手技が必要かを熟慮したり、もっとも安全に行える方法を選んだり、止血・凝固異常があればそれを緩和したりする。幸い先月は何も起きなかったので、私は怖いもの知らず(intrepid)でイケイケ(aggressive)だった。今後は慎重さが必要だ。

2010/06/17

Congratulations, you have matched!

 晴れて第一志望の、中西部の小さな街にある巨大な大学病院にマッチした。患者さんは周辺の各州からどんどん集まってくるので卒業後に「あれは経験しなかった」「これは経験しなかった」ということがない。なんでもできる一人前の腎臓内科医に育てるという哲学が一貫している。腎移植も膵腎同時移植も、ものすごい件数やっている。大学病院で教育も研究も充実している。何もないところに志の高い医者が集まって作り上げている病院だ。先生方もすばらしかった。日本にいたころお世話になった故人の恩師がかつて研鑽した場所でもある。それにしても、最初面接に行くまではそんなに印象深くなかったのに、実際行って気にいって、そのあといろんな病院をみたけれどここが一番いいと思ったのだから、自分の目に寸分も狂いはない。思う存分やってみたい。

2010/06/08

5-oxoproline

腎不全の患者がアセトアミノフェン服用後にアニオンギャップ代謝性アシドーシスをおこしたら、5-oxoprolineの蓄積を疑う必要がある。アセトアミノフェン過量内服の患者さんが来て学んだ。このあたりの生化学の知識は曖昧なのでもう一度学びなおす必要がある。