2016/10/27

Free water clearance(FWC 自由水クリアランス ), Electrolyte free water clearance(EFWC)

以前にもこのブログに書いてあるが、今回自分の勉強も兼ねて再度書かせていただく。

腎臓でどのくらいfree waterを排出していることを知ることは、低ナトリウム血症の治療予測や高ナトリウム血症の治療計画に有用である。

尿中の全溶質が排出されるのに必要な分時あたりの血漿量を浸透圧クリアランス(Cosm)という。
Cosm(ml/min)=(Uosm×UV)÷Posm となる。
                    ※ Uosm:尿中浸透圧、UV:尿量、Posm:血漿浸透圧である。

FWCを考えるときにわかりやすいのは、尿を溶質の部分と自由水(free water)の部分に分けるとわかりやすい。
つまり尿量と浸透圧クリアランスの差が溶質を含まないFWCになる。
FWC =UV−Cosm
          =UV−(Uosm×UV)÷Posm
          =UV(1−Uosm/Posm)
となる。

通常は原尿は尿細管で再吸収されて濃縮尿になるため −0.5ml/min以下が正常とされる。
そのため、例えば自由水クリアランスがプラスになれば尿の溶質を等張尿で排泄した時より多くの尿が出ていることになる。

しかし、尿素などは細胞膜を介して自由に移動するし、浸透圧物質は均等には動いてはくれない。そのため、張度の概念を用いてNaとKを主に用いてFWCを表したものがEFWCとなる。そうすれば均一な動きをすると考えられる。
EFWC = UV(1−尿張度/血漿張度)になる。
            = UV[1−(UNa+UK)/PNa]
となる。

これにより色々なことがわかってくる。
腎臓は細かな計算が多いが、少しでも理論的に物事を考えられるようになりたい。