特に慢性腎不全にとってリンの管理は重要なことである。医師は薬を使ってリンを下げようとするが食事の管理は本当に重要である。
リンの食事で現代社会では食品添加物が重要な問題である。今回この論文では末期腎不全患者に食品添加物を制限した群(67人)とコントロール群(63人)でRCTを組んでいる。
結果では当初は血清リン値に違いはでなかったが、3ヶ月であれば有意差を持ち制限群での血清リンの低下を認め、70%近くが血清リンが5.5mg/dl以下になったということである。
2009年のJAMAにも同じような結果が出ている(これもRCTで人数は今回のものより大きい)
これに関しては僕たちが教科書的なものから得る知識であり、実際にこのように示されてわかることは、食品添加物の制限は重要であること・また、制限して3ヶ月程度して結果として出てくることである。
自分の目の前の患者さんに制限の重要性を話した時、「数ヶ月で血清リン低下の結果が出てきますから頑張りましょうね」というと少し目標が見えていいのかもしれない。
しかし、自分の知識がないので調べてみたのだが食品添加物(特に今回はリン酸塩)はなぜ必要なのか?
リン酸塩はまず大きく二つに分かれオルトリン酸塩、重合リン酸塩に分かれます。
リン酸塩はカマボコのコシを強くしたり、ハム・ソーセージの保水性・粘着性・膨張性を増したり、練り物・缶詰・醤油・佃煮・ソース・漬物・豆腐・アイスクリーム・酒類・チーズ・中華麺なでの変色防止や風味の工場など広い効果を持ちます。
つまりリン酸塩によって、加工食品の弾力UP、色調改善、保水性UPさせているようです。
リンの過剰摂取はPTH上昇をきたし、リン排泄を促すのと同時に骨粗鬆症もきたすためリンの管理は非常に重要である。
その中で、今回はリンの食品添加物との関連について簡単に書かせていただいた。
ただ、美味しそうというものにはおそらくリンが含まれているんだろうと思うし、自分たちがしっかりと知識をつけて患者さんに教育していくことは重要であると感じる。