世の中にはいろんな病名があるが、RS3PE症候群というのは中でも変わった響きのランキングで上位に入ると思われる。R2D2やC-3POに近いものがある(これらは病名ではない;下図)。しかし比較的稀な病気なこともあってか今まで知らなかった。
RS3PEとはRemitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edemaの略で、PMRの類縁疾患と考えられているそうだ。中高年に比較的急性に発症し、性比では男性のほうが多い。
症状は名前の通りで、少量のステロイドが著効するが腫瘍随伴(prodrome)なことがあり胃がん、大腸がん、前立腺がんなどの続発に注意する必要があるという(レビュー論文としてClin Exp Rheumatol 2000 18 4・S20 S53が挙げられていた)。
Medical College of WisconsinにいたDr. Daniel J. McCartyが報告したのが最初だが(JAMA 1985 254 2763)、日本にも多い疾患。浮腫ということで腎臓内科的にも知っておきたい疾患だ(浮腫については、VEGFによる血管透過性の亢進が疑われている;Ann Rheum Dis 2005 64 1653)。
それなのに、いままで知らずに来たのはなぜだろう・・・本当に、勉強することは尽きない。