2015年6月6日土曜日

日本版ガイドライン作り(aka MIRAI)

 ガイドラインは一旦出来るとひろく公開、頒布されてそれが診療のスタンダードになるので、変なものはつくれない。それで、MINDS(medical information network distribution service)という厚労省の外郭団体がサポートしてくれるらしい。まず組織を作って、CQ(clinical questions)を抽出する。基本的にはPICOに基づいてCQを立てるが、CQとPICOのアウトカムをうまくえらばないとその後のsystematic reviewが膨大な作業になるしガイドラインのフレームワークもめちゃめちゃになる。そこで相互査読や作業過程の透明化、アカデミックガイドライン推進班という中立なグループのサポートなどが必要らしい。エビデンスのない領域のCQも、「エビデンスがない」ということを知らせるためにガイドラインに含め、レコメンデーションではなくエキスパートオピニオンを付けるらしい。CQが決まったらsystematic reviewして、レコメンデーションをつくり、ガイドラインを書き、できあがったら公開になる。
 現在日本版のAKI診療ガイドライン(日本独自の治療なども反映させたもの)が作成中で、重症敗血症ガイドラインも2016年版(2011年以降のmedical literatureを反映させたもの)が作成中らしい。AKIならKDIGOガイドラインがあるじゃないか(敗血症もsurviving sepsis campaignがあるじゃないか)、日本版と言ったって参照するRCTもメタアナリシスもほとんど海外のものだから作る意味なんかないじゃないか、という声もあるそうだ。しかし、自前でガイドラインも作れない国は、自前で車を作れず輸入車にしか乗れない国と一緒だと演者の先生はおっしゃっていた。さらに、輸入車しかなかった時代に自前で国産車を作ろうとした自動車産業がわが国にどれだけ貢献し世界をリードするまでになったか計り知れない(写真はトヨタの水素電池カーMIRAI)ように、日本医療も最初ま真似でもいいからとにかくまず日本版ガイドラインを作って、そこから新しいエビデンスやレコメンデーションを発信できるようにならなければならないともおっしゃっていた。