ADPKDにおいては、基本的に嚢胞が多くて実質が少なくて総腎容量(TKV;total kidney volume)が大きいほど腎予後が悪いわけだが、Mayo ClinicのDr. Vincente E. Torresらは画像診断によってより正確な予後予測とリスクの重層化ができないか研究を続けており、今年その分類を発表した(JASN 2015 26 160)。そこでは、ADPKDがMRI画像に基づいて軽症でおそらくほとんど進行しない1Aからほぼ間違いなく末期腎不全に至る1Eまで五つのステージに分類されている。しかしこれは今のところRCTなどを組む時のためのツールで、MRIの特別な機能(automatic segmentation;J Digit Imaging 2014 27 514)を使わないといけないらしい。ほかにもtexture analysis(虹彩による個人認証のように、腎嚢胞のパターンを分析して予後を予測しようとする研究)、BOLD MRI(酸素消費量をマッピングする技術)、MR elastography(腎の場所別の硬さを見分ける技術)などがメイヨーでは行われているらしい…。さすが学会だ、次から次に新しいことがでてくる。日本にも将来、ADPKDセンターみたいなところができて、これらの技術が応用されるようになるのだろうか。