2011/07/12

Bardoxolone

 今日は、Journal clubがあってNEJMの電子版に最近発表された「Bardoxoloneが2型糖尿病性腎症の進行を抑制する」という論文(NEJM 2011 365 327)がテーマだった。エンドポイントがeGFRであり、透析導入や心血管疾患による死亡でないことが論文の有用性を下げていることなどは発見だった。1年間のフォローアップでGFRが最大10ml/min程度向上したとして、それがいったい何を意味するのかまだ誰にもわからない。追試で「この薬で透析導入を半年遅らせることができます」というような結論がでることを期待したい。

 この研究結果で面白かったのは、BardoxoloneはGFRを向上したけれどタンパク尿を悪化させたという結果だ。患者の98%がACEIやARBを内服していたにも関わらずだ。Bardoxoloneはnon-NSAIDs anti-inflammatory drug、抗炎症薬だ。だからここでの興味深い仮説は、「尿タンパクが腎機能を悪化させるのは、尿細管に漏れ出した尿タンパクが炎症を惹起するために起こるのであり、炎症そのものを抑えてしまえば、たとえ尿タンパクがでても腎機能は悪化しない(どころか向上する)」というものだ。ハハーそうか!と手を打って聞いていた。