2011/07/29

Laplace's law

 大学にいると面白い話がタダで聴ける。今日もGrand Roundがあって、腹部大動脈瘤の話だった。真腔より偽腔のほうが大きくなるのは、血管壁中膜はelastinが豊富で伸縮性が大きいからだ。胸部大動脈には70層のelastin、腹部大動脈には30層のelastinがある。演者の先生は「だから腹部のほうが破れやすい」と言っていたが、掛かる圧は胸部のほうが強いよなあと思った。
 なぜ大動脈瘤ができるかについてだが、MMP(matrix metalloprotease)活性、炎症反応、それに血行動態のストレスが挙げられた。MMPについては、その働きを抑えるTIMP(tissue inhibitor of MMP)が衰えることが原因らしい。
 血行動態のところでは、ラプラスの法則(表面張力は半径に反比例する)を手袋で簡単に説明していた。すなわち、医療用ゴム手袋の口を持って中に息を吹きこむと、手のひらの部分はよく膨らみ硬く張っているが指の部分はあまり膨らまず柔らかい。