2017年6月1日木曜日

脂質異常症について。ガイドラインを踏まえて。

今回は、腎疾患患者では非常に重要な脂質異常症のガイドラインについて簡単に触れたいと思う。

Q1:そもそも脂質異常症のガイドラインは一つなのか?
→かなり色々と分かれている。
・ACC/AHA  (2013 米国循環器学会)
・JBS3 (2014 英国)
・ESC/EAS(2016 ヨーロッパ)
・USPSTF(2016 米国予防学会)
・AACE/ACE(米国 内分泌学会)→これが最新(2017/5)

上記の赤字の部分はCKDにおける脂質異常症に触れているものである。KDIGOからも脂質異常症のガイドラインが出ている。

日本では2013年に脂質異常症治療ガイドが出ている。(動脈硬化学会)


Q2:どのガイドラインも同じ方向性?
→推奨はやはり各ガイドラインでばらつきがある。
ただ、基本方針としては
・患者のリスク評価→スタチン治療の検討→評価という形かと思う。

Q3:患者のリスク評価はどうすればいい?
→これもやはりばらつきはある。(添付にカリキュレーターがある。)




Q4:では、目標は何をターゲットにして、最近のガイドラインはどのように変更されたのか?
→目標に関しては、最近はLDL-Cがターゲットになっている。
これは、LDL-C上昇が心血管リスクイベント上昇との相関があるためである。

では、LDL-Cに関して
ESC/EASガイドラインではリスクを①very high risk、②High risk、③moderate/low riskに分けている。
①:LDL-C<70
②:LDL-C<100
③:LDL-C<115
が推奨されていた。

今回2017年のAACE/ACEガイドラインでかなり数値を厳しくしている。
リスクは5つに分かれ、①Extreme risk、②Very high risk、③High risk、④Moderate risk、⑤Low riskに分かれる。
①:LDL-C<55
②:LDL-C<70
③:LDL-C<100
④:LDL-C<100
⑤:LDL-C<130
が推奨されている。

ちなみにCKD患者は最新のガイドラインではどこに入るだろうか?
CKD患者でCVD疾患を有している人は①
CKD患者でCVDリスクを有している人は②
CKD患者でリスクを持っていない人は③
となる。

なので、CKD stage3以上の人は少なくともLDL-C<100は目標にすべきである。

次回、治療薬について少し進展している話題を触れたいと思う。