2017/06/29

がん患者での急性腎不全 1

今回は上記の題名について少し考えていきたい。




腎臓内科の医師の中には悪性腫瘍をみることがないから腎臓内科になりましたという人も少なか
らずはいると考える(私見であるが)。




ただ、悪性腫瘍患者の割合は現在増加しているのが現状であり、悪性腫瘍の死亡率も増加傾向である(下記:平成23年度統計調査)。




★今回の話題の急性腎不全であるが、がん患者として起こりやすい場面として(Journal of crit care 2012)
・感染症の併発
・悪性腫瘍自体に伴う直接的腎障害
・代謝異常
・抗がん剤による腎障害の影響


が考えられる。

★どんな人がAKIになりやすいのか?(CJASN 2009
悪性腫瘍を有している人が全員がなりやすいわけではない。
・高齢者(65歳以上)
・女性
・合併疾患がある症例(糖尿病性腎症や糖尿病性腎症など)
・循環血液量低下者(嘔吐や下痢による)
・腎虚血者(肥大型心筋症、肝硬変、ネフローゼ症候群による)

はAKIになりやすい。

★がん患者でAKIになると予後に影響はするのか?
・これに関してはがん患者のAKIが死亡率との関連する事は報告されている(CJASN 2012Cancer 2010)。
・AKIになることで、化学療法の毒性リスクの上昇やがん治療自体が危険になりやすくなるとも言われている(NDT 2016)。

なので、ここまでのまとめとしては
・腎臓内科医もがんに立ち向かう時代である。
・がんとAKIは多い!
・AKIの併発により色々な影響が出るので、しっかりとリスクの認知が重要!

では、またつづく、、