2017/06/25

抗凝固薬と腎機能障害 4

では、診断と治療に関してであるが以前にも述べたようにこんな疾患があるという事を疑う事が非常に重要である。


特にAKIがあって、直近のPT-INR>3.0の人には鑑別のなかに入れるべきである。
しかし、DOACの場合にはINRでは判断できない。


ここで、AKIを診断する話になるがAKIの診断で重要なのは3つである。
①病歴
 -(その人がどんな薬をのんでいるか?血圧低下のエピソードが直近でないか?造影剤を直近で使用していないか?)
②画像検査
 -腹部超音波検査で水腎症の有無や腎の大きさの確認でCKD合併の鑑別など
③尿沈渣
 -尿沈渣で顆粒円柱や蝋様円柱の存在がATNを示唆しないか。


まず、これを行いAKIの原因を絞り込むことが重要である。


その後ARNの鑑別には血尿(顕微鏡的でも肉眼的でも)の有無を考える必要がある。




ただ、しっかりと診断をつけるのであればもちろん腎生検ではあるが、出血リスクが非常に高いため行う事は推奨されていない。


なので、診断に関しては腎生検をなるべくまずは避けて、AKIの原因を探るという事が重要である!まさに、患者さんに病歴を聞いたりすることが非常に重要になっている!!




治療に関してであるが、基本的には支持療法である。
・INRを治療域にすぐに戻すことが改善につながるかについては不明確なところである。
だが、できることとしては糸球体内圧を低下させるために血圧のコントロールを行い、抗凝固薬の量の調整を行う事である。


予防がやはり大事でワーファリンを使用する場合には、しっかり評価を行いながらすることが重要となってくる。


DOACを使う際にもヨーロッパのガイドラインでは3か月毎には腎機能をフォローすることが推奨されている。
下記にどのくらいの頻度での推奨期間かを示して、このシリーズは終了する。


Initiation (3 months)Maintenance
GFR > 60 mL min−1GFR 30–60 mL min−1GFR < 30 mL min−1
  1. GFR, glomerular filtration rate; DOAC, direct oral anticoagulant.
Warfarin3–4 weeks6 months2–3 months2–3 months
DOAC3–4 weeks12 months6 months3 months


薬はいい部分も悪い部分も大きいので、しっかりと注意をしていく必要性がある。