以前に透析患者の心臓死のことを記載した。
今回、血液透析患者の突然死について記載をしてみる。
血液透析患者では日本でも23%と頻度は高い。血液透析患者は動脈硬化性病変も高く
リスクは常に高い。
下記が2011-2013年の突然死のまとめた報告である(Am J Kidney Dis. 2015;66(1)(suppl 1).)。
日本の報告では脳卒中の割合が高く(25.8%)、次に心疾患(19.4%)、感染症(17.2%)が次に続く。
リスクファクターを考えた際には下記の形になる。
要因としては透析の要因、患者の要因、心臓の要因がある(Int J Cardiol .2016;217:16-27)。
では、突然死を防ぐために我々は何ができるのか?
やはり心疾患の除外が大事であり、下記のstrategyは重要かと考える。
よく言われるように
HEFrEF(EF低下の心不全)にはβブロッカーを用いましょう、
HEFpEF(EF維持された心不全)にはHDを頻回にして寝室容積の増加を減らし、RAS阻害薬やスピロノラクトンを使うのを考慮しましょうとしている。
また、不整脈の因子となりうるものを除去する。
電解質としてはカリウムやカルシウムやアルカローシスを避ける事、また透析温度を下げる事で透析低血圧の予防につながる。
透析では一定頻度で突然死は起こりうるが、私たちは電解質の管理を含めた管理をして不整脈を予防し、心疾患のコントロールの基礎知識もしっかり持たねばならない。