2016/12/17

アンジオテンシン阻害薬(ARB/ACE-I)の慢性腎不全(CKD)への使用を考える パート1

今回、この題材にしたのは自分の知識が不足しているからである。
恥ずかしながら僕の認識ではあまり慢性腎不全にアンジオテンシン阻害薬の投与は推奨されないのではないかと自己解釈していた。

・腎不全でのRAA系の変化
 腎不全になると早期:腎臓の炎症が生じる→尿細管間質障害が生じる→尿細管壊死が生じる→子宮体硬化が生じると考えられている。
その時にRAAS(Renin-Angiotensin-Aldosteron system)は各々に対して重要な因子として働いている。

・RAA系の考え方
以前はRAASは血圧の関連や集合管でのNa吸収に関連しているものだと思われてきていた。
しかし、現在RAASはとっても複雑になっている。(ACEがAngⅡ合成の重要な要因と考えたれていたが、代替経路も存在する:Chymase, chymostatin-sensitive AngⅡ generating enzyme(CAGE), ACE2など)、Ang Ⅲ, Ang Ⅳ, Ang 1-9 , Ang 1-7などの新しいタンパクも見つかっている。
なので、ACE-IのよるAngⅡ産生抑制は腎臓内のAngⅡ産生抑制には関連しないとも言われている(JASN 2002)。
腎臓内の部分的なAngⅡが高血圧や腎臓の廃絶に関連していると言われている(濾過圧の上昇や輸出細動脈の収縮や自動調節能障害などを起こす)

・血圧降下に対して
慢性腎不全に対する血圧降下に関しては、様々な研究で有用性が分かっている(Eur heart journal 2003)。また、両者の薬の作用の違いは血圧の観点では同様と言われている(Ann intern med 2008)。
ACE-IとARBの両者の併用に関してはACE-I単独と比較して4.7/3.0mmHg、ARB単独と比較して3.8/2.9mmHgと血圧の点では低下を認めることが分かっている(Hypertention 2005)。

今日はまずはここまでにしておこう。

本当に僕たちの診療は日々進化している。患者さんにとって良い治療を選択できるように努力しよう!