個人的には、なるべく腹膜透析を長くさせてあげたい反面とEPSの発症はどうなのだろうと常に診療の中で気を揉んでいる。
・EPSの歴史:
EPSが報告されたのは、1980年に報告され(Arch.Intern.Med. 140,1201–1203 )、1996年には0.9%、2005年には3.3%に上昇していた。
2009年の報告では0.7-3.3%となっておりやはり一定数の患者はいるため注意する。
やはり、一番は死亡率の高さで25-55%の死亡率があることは知っておかねばならない。
・EPSを考えるときに
腹膜透析患者はもちろんではあるが、非腹膜透析患者にも起こりうる。自己免疫疾患やサルコイドーシスや腹膜や腹部の悪性腫瘍や感染患者、慢性的な肝硬変の腹水患者、β遮断薬投与患者などは考える必要がある。
腹膜透析患者においては単純腹膜硬化症という1st hitの前段階がある状況で、急激なPDの休止や腹膜炎や移植などが2nd HitとなりEPSが発症すると考えられている。
腎移植後のEPSも報告されている(Nephron.Clin.Pract. 111,149–154.)