2016/12/12

血漿交換はどんな疾患に適応?迷った際のワンポイント!!

久々の投稿になります。

今回は血漿交換についての話題に触れたいと思う。
血漿交換を考えるときに、まず何が適応になってどのくらいの回数が保健上適応になっているかは常に考える必要がある。その際に下記のような形でどの疾患が適応あるんだろ?と常に考えると思う。



しかし、この表が頭に入って入れば話は別であるが、この疾患はどうだろ?と考えた際にどのように調べるだろうか?
ここは日本!なので、日本語でとことん探すのも一つであるが、世界標準はどうかを知るのは重要である。

アフェレーシスのガイドラインがあり、2016年度に新しいものが出ている(J Clin apher 2016 Jun;31(3):149-62)。

これの良い点は一つ一つの疾患についてまとめられており、どれくらいの推奨度があるかや置換液をアルブミンにした方が良いのか?FFPにした方が良いのかがわかるところなのかと感じる。

例えば、多発性骨髄腫に伴うcast nephropathyで高度な腎機能障害を呈する人が来たとする。
その際に上の表を見ただけだと多発性骨髄腫という疾患はあるが、多発性骨髄腫だけでできるのか?なんなのかは不明である。

ガイドラインで引くとcast nephropathyは推奨度はGrade2Bとなっている。この疾患に対してやる意味は軽鎖の糸球体への量を低下させることで腎予後、生存率の改善につながる。腹膜透析や高性能膜の血液透析よりも血漿交換の方が軽鎖の除去に関しては効果がある。

では、どのような人に優先的に使用を考えるかというと尿量がある人に関しては、まずは補液治療(2.5-4L/日)であり、尿量が出ていないCre ≧ 6mg/dLの症例などは治療的血漿交換を考慮した方が良いとガイドラインには記載してある。
とても、ひとつひとつの症例に対して細かくどのRCTからエビデンスが抜き出されているかなど書かれており、とても勉強になっている。
ぜひ、迷うことがある際には参考にしていただきたい。