CMVの予防(prophylaxis)は施設によって実はまちまちで、細かなプロトコルがnephrology board examで問われることはない。ただし知っておくべきことは、ドナーIgG陽性でレシピエントIgG陰性(D+/R-などと書く)がもっともリスクが高いということだ。だからこのハイリスク群は、ほかの群にくらべて長期間、高用量、Valganciclovir(Acyclovirでなく)が推奨される。
AJTのスタディは900mg/dを200日投与したほうが、100日投与したのに比べてCMV diseaseが優位に多かった(AJT 2010 10 1228)。CMV diseaseとはCMV syndrome(viremiaプラス発熱、白血球減少などが一つでもある)とtissue invasive CMV (気管支洗浄や生検でウイルスが確認されたもの)を指す。
200日投与して良くないことは?白血球減少は200日投与群で有意に多かった。そして、Valganciclovirは高い。だからたとえ100日投与する施設でもスタディの半分、450mg/dにしているところがあるほどだ。450mg/dと900mg/dを比較したスタディがあるかは、知らない(たぶんないのではないか)。