2013/01/25

LN and pregnancy

 Lupus nephritis(LN)の患者さんにおける妊娠合併症リスクは?Systematic reviewはあって(CJASN 2010 5 2060)、結論はmaternal hypertensionとpremature birthsのリスクが高かった。高いというが、何と比べて高いのかが不明確なうえ、スタディごとのばらつきが大きいようだが。「まったくLNのない患者さんと同じです」とは言えない、という(まあ妥当な)ことだ。
 LNの患者さんが妊娠したら、どうやって治療する?使っていけない薬はACE阻害剤、cyclophosphamide、MMFなど明らかだ。Hydroxychlorquine、AZT、ステロイドはOK?ACRのガイドライン(Arthritis Care Res 2012 64 797)によれば、①LNの既往があるがactiveでなく、他のSLE病勢がマイルドならhydroxychlorquine、②activeなLNがあればステロイド、もしコントロールがつかないあるいはステロイド用量を下げたければAZTを追加とある。
 Rituximabは?Belimumabは?たぶんまだデータがない(どちらもリスク分類はC)。Tacrolimusは?妊娠中の移植患者さんには利益がリスクを上回る場合に限り用いられるが(やはりリスク分類はC)、LNへの有効性はまだ散発的なデータに限られている(たとえばRheumatology 2008 47 1678)。