2013/01/29

PD initiative

 米国で腎臓内科フェローシップして曝露が少ないのが腹膜透析(PD)だ。米国はPDが少ないから(腎臓内科医のpreference)。しかし、もっとPDを増やそうという動きはある。進行するCKDの患者さんが外来に来たときには血液透析、在宅血液透析、腎移植のほかに腹膜透析も必ず説明する。

 フォローアップなしで、駆け込み透析導入の場合はどうか?体液量、電解質のインバランスと尿毒症がひどければ、ICUで内頚静脈にtemp catheterを挿入して緊急透析を始めるからチョイスはない。しかし、それでもPDを選択できるという目を開く論文が二つあった。

 一つはUCLAが去年発表したurgent-start PDの論文(AJKD 2012 59 400)で、PDカテーテルを挿入するや否や腹膜透析を介した。カテーテルが腹壁組織とよく癒着して安全に使えるようになるには約二週間かかるという(少なくとも私の)固定観念をくつがえす試みで、透析液のleak率はnon-urgent群に比べて高かったが多くはminorだった。

 もうひとつはトロントのグループが発表した論文(CJASN 2011 6 799)で、たとえ最初は緊急に血液透析をしても、そのあと入院中にじっくりRRT(腎代替療法)のオプションを説明すると、かなりの患者さんがPDを選択したというものだ。入院期間が長く、オプション説明のための特別な看護師さんが毎日腎臓内科の回診に付いてのことだが。つづく。