2013/01/15

ヘビと腎臓内科

 そういえば今年は巳年。インド出身の研修医が、インドではヘビ毒による溶血、横紋筋融解、ショックなどで腎障害になる例があとを絶たないと教えてくれた。調べると、インドで年間3万人がヘビに咬まれて死亡しているという(Ann Trop Med Public Health 2012 5 335)。

 北米の毒ヘビについてはNEJMのレビュー(NEJM 2002 347 347)があって、Viperidae(クサリヘビ科)、Elapidae(コブラ科)、Hydrophidae(ウミヘビ科)などの分類、毒ヘビとそうでないヘビの見分け方などが書かれていた。日本にいるマムシもハブもクサリヘビ科だ。

 腎不全のリスク因子はCK高値、抗毒素血清投与の遅れ、子供など。ブラジルのスタディ(KI 2005 67 659)によれば、100例のヘビ(Crotalus durissus)咬傷のうち29%がGFR60ml/min以下の急性腎障害、そのうち24%が透析を要し10%が死亡した。

  そんな怖い動物ヘビだが、沖縄ではなんと毒ヘビ入り泡盛というのが売っているらしい(エラブウミヘビを漬けたものはイラブー酒という)。アルコールはヘビ毒よりも強いのか…?