2013/01/30

Drastic star, astral coral

 米国腎臓内科は手技をほとんどしない。やるのは(短期間用の)透析カテーテル挿入、腎生検くらい。これだって教育目的でない限りはやらないし、まったく教えないフェローシップもある。じゃあ何をしているのかというと、ひたすら頭を使っている。注意深い問診と診察、それをもとに生理学と計算式を駆使してアドバイスするのが役目だ。それでよくcerebralな(大脳を使う)科などと言われる。

 でも手技もすれば?と思うことはあって、たとえば腹膜透析カテーテルは数十年前までフェローが挿入していたという。腎動脈の血管造影も腎臓内科がやれば?と思わないこともない。というわけで、今日は腎動脈狭窄(renal artery stenosis, RAS)のお話。まず、drive-by shootingといって循環器内科医がカテの時に通りがけに腎動脈をシュシュっと造影して狭窄があればステントしていた時代がある。

 そのうえで、本当にステントして意味あるの?という疑問に答えようとDRASTIC(NEJM 2000 342 1007)、STAR(Ann Int Med 2009 150 840)、ASTRAL(NEJM 2009 361 1953)、CORAL(データ解析中)などが組まれた。レビュー(Cleve Clin J Med 2010 77 164)によればDRASTICとSTARはサイズが小さくパワー不足で、ASTRALは大規模だが「どうしてもステントしたほうがよさそうな群は(したほうが良いので)スタディから除外」という重大なselection biasがある。CORALはどうなるか。