AIN(急性間質性腎炎)の治療といえばoffending agentを止めることと、ステロイドだ。うちの病院でも、ステロイドを信じるスタッフと信じないスタッフがいるが、信じるスタッフはたいていprednisoneを用いる。以前紹介したmini-study(Am J Med 65 756 1978)がprednisoneを用いている。AINはとても臨床でとてもよく遭遇するのでステロイドも当然議論になるが、今月のスタッフは別の論文を持ち出した(KI 2008 73 940)。
これはスペインのretrospective studyで、質は低いが曲がりなりにもステロイド投与群で腎機能がより回復した(mean follow-up 18 months)ことを示した。さらにステロイド投与群のうち腎機能が完全に回復した群は完全には回復しなかった群に比べてステロイドの投与が早期であったことが分かった(drug withdrawalからmeanで13日 v. 34日)。
興味深いのはこの論文ではほとんどの症例でステロイドにmethylprednisolone IV (250-500mg daily x 3-4 days)、そのうえでprednisone(1mg/kg/d、8-12週間で漸減)が用いられたことだ。別のヨーロッパの論文でも同様にmethylprednisolone IVが用いられている(NDT 2004 19 2778)。ヨーロッパではmethylprednisolone IVなのだろうか。はたして日本ではどうなのだろう。