ASN(米国腎臓学会)月刊紙、ASN Kidney Newsで最近始まったコーナーが"Detective Nephron"だ。名探偵ネフロンが弟子のL. O. Henle(loop of Henleを文字っている)が持ってくる症例を鮮やかに解き明かす筋書きだ。ネフロンはオフィスでコーヒーを飲んでおり、ヘンレの話を"Ah! This is going to be exciting."とか"Fascinating!"とか言いながら聞く。
ヘンレも腎臓内科の基本は知っているので一生懸命考え、ネフロンに"Good work, my apprentice(弟子)"とか言われるが、ネフロンの豊富な知識と経験によって症例の解答が明らかになる。最後の"Never underestimate the power of the nephrologist."というセリフがカッコいい。
私はこんな風になりたいのである。次々ともってくる症例を聴いただけでたちまち解決してしまうような。そして、わたしはフェローシップが終わるまでにそうなるつもりでいたのだと、約20年スタッフをしている今のスタッフと一緒に働きながらふと気付いた。
毎日よく観察し、よく考え、よく読み、自分の診断能力を高めていくのは素晴らしいことだ。このwebsiteの蓄積も私の財産となるだろう、こうして引き続き爪を研げ。だが1-2年で完成しようなどとは思わない方がいい。Art is long, life is short。探偵ネフロンを目指すなら、あせらないことも肝心だ。