2012/04/29

Hypogammaglobulinemia

移植の月には入院してきた腎移植患者さんをたくさん診る。入院するのは移植を受けた患者さんの1%かそこらで、残りの99%は透析も不要で、仕事・趣味・家庭などで幸せに暮らしているわけだが、病院にいるとそれを診ることはあまりない。
 さて移植患者さんの入院は大抵が感染症か腎機能障害、どちらも免疫抑制剤の副作用だ。感染症、とくに細菌感染を繰り返す人を診た時にスタッフが決まって「immunoglobulin levelは調べた?」と口にする。Hypogammaglobulinemia(HGG、低γグロブリン血症)を疑っているわけだ。しかし今まで疑った数例でチェックしたが免疫グロブリンレベルは正常だった。
 スタッフがレビュー論文をくれ(Curr Opin Organ Transplant 2008 13 581)、孫引きして腎移植患者を対象にしたスタディ論文(Transplant International 2008 21 57)に当たってみるとHGGは移植後早期に多く見られるらしい。