2017年4月23日日曜日

MPO-ANCA関連腎炎とMMF

 ANCA関連血管炎といえば日本ではほぼMPO-ANCAで、ほとんどがご高齢の方の印象だ。だから疫学がちがえば、治療が違っていいのかもしれない。ステロイド、ときどきミゾリビンやアザチオプリン、リツキシマブはつかっても1回、うまくいけば半年後もう一回、というように副作用を避けながら丁度よいさじ加減で治療するのもひとつの考え方なのだと思う。

 中国でもMPO-ANCAが多いらしく、MPO-ANCAにかぎった関連腎炎の腎予後について一施設で215人の患者さんを後ろ向きに振り返った論文がCJASNにでた(CJASN 2017 12 142)。いろいろと、違いを考えさせられた。ただし平均年齢は52歳(37-59歳)と日本で見かける臨床像より若い。最初のCrは平均で3.8mg/dl、34%が最初に透析を必要とし、約4割に肺病変があった。

 全員がステロイドセミパルス(500mg methylprednisolone/dを3-6日間)+免疫吸着ないしDFPPをうけ、そのあとステロイドパルス単独、サイクロフォスファミドパルスの併用、またはMMFの併用を受けた。KDIGOの推奨といっても、米国や欧州など限られたところでしか行われていないのかもしれない。病理のタイプや腎機能などさまざまな層別化をしているが、治療群でいうとMMF併用群で予後がよかった。



 もちろん相関しかないが、同じグループが以前におこなったサイクロフォスファミドとMMFの有効性をくらべた試験(NDT 2008 23 1307)のコホートを流用しているので、意外とランダム化されているかもしれない。MMFをつかう可能性について考えさせられる。以前にMMFをANCAにつかった試みを調べて、寛解の報告はあったが欧米のものだった。

 このスタディは人種が近いとはいえ年齢が若いから、高齢の日本人MPO-ANCA血管炎にそのまま当てはめるとおそらく感染症は増えると思う。ただ、どう治療するか議論されているひとつの参考にはなるかもしれない。現にこの結果は、3月に東京でおこなわれた国際血管炎・ANCAワークショップでも発表されている。