2017年4月15日土曜日

腎不全の人に対しての骨粗鬆症予防の利益や悪影響(Benefits and Harms of Osteoporosis Medications in Patients With Chronic Kidney Disease: A Systematic Review and Meta-analysis)

骨粗鬆症に関しては、ガイドラインが日本でも作成されている(2015年 ガイドライン)。

その中にCKD(慢性腎不全)と骨粗鬆症の項目が数ページある。
CKDは糖尿病と並ぶ骨粗鬆症のリスクであり、原因に関しては様々なものが言われており
・続発性副甲状腺機能亢進症、・ビタミンD欠乏、・低カルシウム血症・高リン血症、・酸化ストレス増大、・栄養障害
など多岐にわたる。

特に我々が悩むのは、CKDの骨粗鬆症患者への治療である。
上記ガイドラインの133ページはまとめた表があり、一度参照することをお勧めする。

今回、この話題を取り上げたのは、Annals of internal medicineにsystematic review and meta-analysisの論文が出たからである。

この論文では、CKD患者への骨粗鬆症薬の利益と悪影響を見ている。
骨粗鬆症薬は
・ビスフォスフォネート、
・テリパラチド(遺伝子組み換えヒトPTH製剤:フォルテオ)、
・ラロキシフェン(選択的エストロゲン受容体作動薬:エビスタやビビアント)、
・デノスマブ(RANKL阻害薬:プラリア)
を見ている。

2006年12月から2016年12月までのPubmedやCochraneのデータベースを用いている。

13の試験で見ており(n=9850)、6つは腎移植後の患者、3つはCKD stage3-5や透析を受けていた患者、4つは閉経後のCKD女性を見た研究である。

結果は
・ビスフォスフォネート:腎移植後の患者に対して中等度のエビデンスを持って骨密度の低下を遅くしたが、骨折や安全性ははっきりしていない。また、他の腎移植後以外の群でも効果は不明確であった。
・テリパラチド:骨密度や骨折のリスク低下は不明確であり、逆に安全性に疑問があるという結果が出た。
・ラロキシフェン:椎体骨折の予防にはつながるかもしれないが、骨密度の改善には寄与しない可能性が高い。
・デノスマブ:骨密度や骨折のリスク低下は不明確であり、逆に安全性に疑問があるという結果が出た。

今回の論文では、結局は骨粗鬆症薬のCKD患者に対する骨折リスクや骨密度や安全性は明確にはなっていないということがわかった。

今回の論文ではCKDにおける骨粗鬆症薬のエビデンスを明確にすることはできてはいないが、このような試みの積み重ねが次のエビデンスを作っていく。
自分も本当に頑張らねばと感じた論文であった。