それで、ICUによっては低Clな輸液、LR、Hartman、Baxter社のPlasma-Lyte®などを用いる。先月JAMAに高Cl輸液群と低Cl輸液群でICUにおけるAKIの違いを調べた論文がでた(JAMA 2012 308 1566)。ICUに「高Cl輸液はICU指導医の許可なしに輸液できない」というシバリを掛ける前と後で比較したもので、学会でも紹介されたらしい。
結果は、シバリを掛けたほうがAKIが少なかった。Volumeは大きなconfounding factorだろうが、著者はCl負荷がAKIのリスク因子と言いたいようだ。それにしてもオーストラリアはICUと輸液についてのスタディをバンバンだす。SAFE(NEJM 2004 350 2247)もそうだし、今月でたHESと生理食塩水を比べたの(NEJM 2012 367 1901)もそう。実際に病院ではどんな輸液をしているのだろう。
[2017年7月追加]0.9%食塩水についてのディベート論文について紹介した投稿、0.9%食塩水とPlasmaLyte®を比較したSPLITトライアルを紹介した投稿も参考になれば幸いです。