今回ハリケーンSandyの影響で、iron in CKD/ESRDのセッションでは演者二人が来れず、一人はBostonから電話でプレゼン(司会がパワーポイントを操作)、もう一人は代わりの演者を立てるなど学会は対応に追われていた。電話で講演したのはMGHのBabitt先生で、彼女のHepcidin/ferroportinについてのトークはJASNのレビューを読んだ後なので理解が深まった。
彼女の研究分野はどのように鉄が肝のHepcidin分泌を促進するかで、hereditary hemochromatosisの遺伝子異常に注目してその一つHJVがBMP6のco-receptorであることを示した(Nat Genet 2009 41 482)。その下流はSMAD(Blood 2008 112 1503)。Fc HJVも作って、ESAと併用するとESA resistantが解けることも調べた(JCI 2007 117 1933)。
鉄の副作用について話す予定だったのはDr. Fishbaneだが、Long Islandの病院で働く彼は来れなかった。彼のスライド(他の先生が代わりに講演した)によれば、鉄の副作用に①anaphylactoid(iron dextranを使わない現在では稀)、②iron overload、③infection、④oxidative stressなどがある。
②は、剖検するとかなりのESRD患者で肝iron overloadが見られた(JAMA 1980 244 343)、剖検しなくてもMRIで肝のiron overloadが見られた(KI 2004 65 1091)という報告がある。どちらもFerritinは相関しなかった。ただし肝iron overloadのclinical significanceは不明だ。
③はanimal modelでのtheoreticalな話かと思ったら透析患者さんでも調べられており、S. epi growth indexなる数値が上がった(NDT 2000 15 1827)とか、neutrophil functionが下がった(KI 2003 64 728)とか報告があった。④はよく分からなかった。