ACEIとARBを最大限に用いても持続する蛋白尿には、spironolactoneが用いられる。Aldosteroneは腎臓でENaCに作用するだけでなく、線維化、左室肥大、内皮細胞障害などにも関わることが分かっているし、ことに循環器領域ではEPHESUS(Circulation 2009 119 2471)など複数のスタディでMRA(mineralocorticoid receptor antagonist)の有効性が示されている。腎臓、蛋白尿についてはどんなデータがあるのか?
1996年にGreenらがACEI/ARB投与ラットにアルドステロンを投与すると蛋白尿が増悪することを示した(JCI 1996 98 1063)。さらにアルドステロンがNADPH oxydase、ERK1/2などの細胞内シグナルを介してmesangial/fibroblast prolifilation、podocyte injuryを起こすことも示された(Nature Review Nephrology 2010 6 261)。
2009年にはspironolactone(25mg/d)をlosartan(100mg/d)、placeboと比較したスタディがでた(JASN 2009 10 2641)。これによればspironolactoneはlosartanよりもanti-proteinuric effectがあり、それは血圧と無関係であった。しかしspironolactoneは高K血症を起こした(20%でKが6.0mEq/l以上になった)。現在、Kを上げずに蛋白尿を抑えるようなselective MRAが研究されている。