2017/02/18

下肢虚血について考える パート1(PAD,ASO)

今回投稿の期間が空いてしまって申し訳なかった。しかし、その間に赤肉の投稿をしてくださり、とても勉強になった。まだ、僕はいただいたが論文を読めていないので、また読み返して見たいと感じた。

今回、下肢虚血について考えて見たいと思う。
まず、過ぎてはしまったが2月10日は何の日かご存知だろうか?
Foot(210)の日(足の日)である!
なので、下肢虚血に関して書こうと思ったわけではないが、私自身の知識の整理が一番である。

まずは、下肢虚血の基礎的なことについて触れたいと思う。
PADはPeripheral arterial diseaseの略であり末梢動脈疾患の全体を指す。

その中で閉塞疾患としてまずは大きく急性のものと慢性のものに分かれる。
・急性のものは心臓内血栓の塞栓や血栓閉塞などでしょうじる。
・慢性のものは我々が主に診療に当たるもので、ASO(arteriosclerosis obliterans)やBurger病である。
 −両者の違いはASOは50歳以上で動脈硬化のリスクファクターの男性に好発する。Buerger病は50歳以下の喫煙歴のある男性に好発する。



検査に関して重要になってくるものはABI(足関節上腕血圧比)である。
最近はこれに加えてSPP(皮膚灌流圧)の測定も有用であると言われている。SPPは下肢の切断部位の決定や治療効果判定に有用と言われる。30=40mmHg未満では創傷治癒の可能性は低い。
−両者の違いはABIは比較的太い血流を判断する指標で、SPPは毛細血管レベルの指標になる。

ABIについては正常値は0.91-1.39である。
0.90より低すぎると主幹動脈の閉塞や狭窄を疑う。
逆に1.4より高すぎても動脈の高度石灰化を疑う。ここで検査としてやくに立つのがTBIである。

−TBI(足趾・上腕血圧比)は、足趾と上腕の血圧比を求める検査であるが、これが有用なのはABIで評価困難な患者である(糖尿病や透析患者など)
これは、理論的には動脈壁の石灰化は足趾まで及ぶことはないとされているためである。
TBIのカットオフ値は0.6~0.7前後である。

我々は、患者さんの足の状態をしっかり把握してあげることが重要である。
PADがそこで疑われれば循環器内科と必要に応じて、血管造影CT検査を行ったりして下肢の評価をする必要がある。

我々は患者さんの足にも注目しなければならない!!