今回の話題としてはPKD患者における貧血である。
今回、この話題を出したきっかけはあるコミュニティーで「PKDの人は貧血少ないんだけどなんでなの?」っていう投稿があった。
正直、自分はPKDの患者を見ている絶対数が少なく、知らなかったため今回調べてみた。
CKD stage1~2:PKD患者ではEPOの産生量は他の原因疾患よりも増加している。しかし、この段階では、EPO産生増加がたとえあったとしても、Hbの差としてはでてこない(Nephron 1985)。
CKD stage3~4:この時期にはPKDが原因のものと他のものを比較して、Hbの差が生じてくる(PKD患者ではEPO産生は亢進している。)
CKD stage5:この時期では、PKD患者ではEPO産生は亢進しているものの前面に尿毒素物質の影響が出てくる。つまり、尿毒素により骨髄でのEPO反応性が低下する。そのため、Hbの差は小さくなる。
図1:CKDとHbの関連(NDT2007より引用)
図2:EPO産生の推移、原疾患を分けて(NDT2007より引用)
では、なぜEPO産生が亢進するかであるが、正確にはわかっていない部分はあるが嚢胞液や間質細胞が酸素低下の刺激とは関連性なくEPO産生をしていることが原因と考えられる(J Clin invest 1989)。
なので、PKD患者を見るときには、貧血に対する視点を少し変えて見ると面白いなと感じた。