2017/02/08

Cost of AKI in Hospitalised patients(入院患者のAKIにお金はかかる??)

入院中に腎臓内科医でコンサルトされるケースでは何が多いのであろうか?
病院や地域性にもよるかもしれないが、AKIは比較的よくコンサルトされると思う。

今回論文でAKIのコストについて書かれていたのでまとめてみたい(J Hosp Med 2017)。

今回の論文の目的は入院中のAKIにおける費用と入院期間を見たものになる。

まず、AKIは入院患者の20%に生じると言われている。また、死亡率も高く20-25%であり、集中治療領域で透析が必要な場合には半数近くの死亡率と言われている。
今回の論文の前に2005年にchebowたちが単施設での研究を行なっている。そこでは、AKIはコストが高いことは証明されたが、重篤なAKIの症例は少なかった(JASN 2005)

今回の論文では2012年のアメリカのデータを用いで20763649人の末期腎不全でない18歳以上の成人を用いて行われた。このデータは、全米の95%以上の人口をカバーし、4000以上の病院をカバーしているものである。

最終的にESRDなどを除いて29763649人の患者が選択され、そのうちの3031026人(10.2%)がAKIを有しており、106515人(3.5%)が透析を必要とされた。

結果としてはAKIのない人と比較して、入院の費用は1795ドル多く、入院期間も1.1日平均して上昇していた(調整をした場合)。

透析を要するAKIの場合は入院の費用は11016ドル多く、入院期間も3.9日平均して上昇していた(調整をした場合)。


この研究で、AKIになると入院費用や期間が上昇することが示された。
これは当然のことかもしれないが、実際にこれを数値化するというのは重要であるなと思った。我々も、これを見て入院期間や費用も考え患者をAKIにしないことが重要と感じた。

最後に他の疾患のお金などの割合も添付する。