それを、実際に実践しているのが、在宅血液透析である。
ちなみに在宅血液透析に関しては適正透析の目安としてHDP(hemodialysis product)が用いられている。これは2002年に提唱されたものであり、下記の式で提示され在宅血液透析患者では70以上が一つの指標となっている。
HDP=(1週間の透析回数)×(1週間の透析回数)×1回の透析時間
で求められる。
頻回透析に関してはkidney international 2017でも頻回透析がQOLを改善することがわかっている。
では、長時間透析はどうであろうか?
今回JASNでその論文があった(JASN2017)。
この論文では200人の患者さん(在宅も施設透析も含む)をRCTで行い、1週間で24時間以上透析をした群と12−15時間の群(最大:18時間)で比較した。期間は1年間で見ている。
priamry outcomeはEQ-5Dで評価したQOLの変化。
secondary outcomeは薬剤の評価や採血評価やシャントのイベント発生率などである。
結論としては、長時間透析にすることでQOLには差は認められなかった。
長時間透析にすることでのメリットとしては、リン・Kの改善やHbの上昇が見られた。この研究では血圧に差はなかった。
また、長時間透析をすることで降圧薬やリン吸着薬を減量できたというメリットはあったが、EPOの投与量が減ったということはなかった。
この研究からは、何に重きを置くかが重要なのかと感じた。
もちろん数字の是正という点では長時間はいいのかもしれないし、一方で患者さんにとって1時間の血液透析の拘束が患者さんによってはかなり辛くもなりうる場合もある。
現状としては、バランスをうまくとって考えることが重要であると感じた。