2012/05/04

AQP2

 腎性尿崩症と深部静脈塞栓症をきたす家族性の疾患と言われれば、AQP2の変異だ(J Clin Endocrinol Metab 1997 82 686)。これはV2 receptorの変異(もっとも多い、そしてX-linked)の次いで多い家族性の腎性尿崩症だ。文献ではautosomal recessiveとされているが、日本の医科歯科大グループがautosomal dominantの症例を報告している(Am J Hum Genet 2001 69 738)。

 Aquaporinは疎水性の細胞膜にあって唯一水の出入りを司るとても大事なチャネル分子だが、ADH支配下にあるのはAQP2だけだ。AQPが機能しないので下垂体は頑張ってADHをたくさん作るが、V2 receptorは機能しているので、血管内皮細胞ではADH支配下にFactor VIIIaとvWFが放出され塞栓症をきたす。