前にも触れたが補体の働きは複雑で、それに補体の制御まで含めるともはやその道専門の人でなければ把握しきれないほどだ。私は学生時代に「できればこんな複雑なものは分からなくても医者としてやっていければいいな」と密かに願ったことがあるが、腎臓内科にいるとそうもいかない。
しかし先日のRenal Grand Roundでスタッフの一人がYouTubeのビデオを流して、これがとても分かりやすかった。古典経路と代替経路(alternative pathway)についての二つのビデオで、C1q-C1r-C1sがやってきて、C1rとC1sが分解されるとC4がやってきてC4a(anaphylatoxin)とC4bになって、C4bは細菌細胞膜に共有結合してC3を呼び寄せ…というのがグラフィックを使って説明されている。
来年にはFACE(fellows as clinician educators)なるプログラムに参加して、レクチャのしかた、病棟での教育回診のしかた、テストの作り方などを教わる。時にはYouTubeをつかって説明するほうが分かりやすいとか、スタッフのちょっとした工夫をメモって自分の教育方法に取り入れていくのは有益だと思う。