2012/02/05

BMT and kidney disease

大学病院といえども内科のレジデントはcompetitiveな他科ほどピカピカではないという話をしたが、foreign medical graduateの人は別で、なにか特別な能力があるから米国の大学病院にいるというのが明確だ。分かりやすい実力主義ではないか。仕事が早く、考えが深く、感じのよい人ばかりだ。さてそんな一人がこないだ『骨髄移植と腎疾患』というテーマでレクチャを行った。
 allogeneicとautologousでは、前者のほうが身体に負担がかかる移植なのでその分急性腎不全の割合が高い(myeloablasive treatmentのほうがnon-myeloablasive treatmentより高い)。また前者ではGVHD予防にcalcineurin inhibitor(CNI)が用いられる。後者は(少なくともうちの施設では)ほぼmultiple myelomaに用いられるので、原疾患による腎障害を考慮しなければならない。
 移植直後の腎障害では、有名な腫瘍溶解症候群のほかにABO不適合による溶血性貧血、それにmarrow infusion syndrome(幹細胞の保存液に含まれるdimethyl sulfoxideによるもの)などが考えられる。そのあとからSOS(sino-occlusive syndrome、肝類洞の内皮細胞障害による肝不全→HRS-like 腎不全)、ATN、薬剤性腎障害、GVHDなどが来る。
 Subacute/late complicationにはTMA(thrombotic microangiopathy、放射線・化学療法・CNI等様々な原因による内皮細胞障害)、nephrotic syndrome(GVHD、膜性腎症、幹細胞による直接の腎障害などによる)、高血圧性腎症、CNIの腎毒性による障害などがある。いずれにしても腎不全は骨髄移植患者にとってpoor prognostic factorだ。ことに急性期のそれは多くの場合多臓器不全の一部として起こるのでなおさらだ。
 これらの文脈でおこる腎不全に関しては、血液・腫瘍内科医のほうが経験があり彼らに意見を聴くこともしばしばあろう。治療の方法も「とにかく輔液して腎臓に詰った老廃物をwash outするのだ、それがプロトコルだ」というようにやり方を決めておりコンサルトしてこないことのほうが多いのだろう。働いて半年になるがまだ骨髄移植後の腎不全でコンサルトを受けたことは(小児腎を除き)ないが、経験できればいいと思う。