2012/02/04

Teleological

 英単語を、一度覚えても使わないうちに忘れてしまい、思い出せずにいたら誰かが使って再び思いだすことがある。その一つがteleological(目的論的な)だ。τέλος(telos:終わり、目的)から派生した言葉だ。

 たとえば腎臓にはCaSR(カルシウム感知受容体)があって、高カルシウム血症でそれらが活性化するとthick-ascending limbでNKCC2(Na-K-2Cl cotransporter)が動かなくなったりcollecting ductでaquaporinが引っ込んだりして尿の希釈が起こる。これを「尿管結石ができないように腎臓が高カルシウム血症に適応している」とするのがteleologicalな考え方だ。

 あるいは尿中にはurokinaseという線溶系を活性化する酵素があるが、これも「urokinaseは尿細管内が血栓で詰ってしまわないようにしている」と考えることもできる。このようにteleologicalな考えは理にかなっているので私は好きだが、証明ができないのでただのお話になってしまうのが難点だ。