2017/03/07

久しぶりに投稿です。(移植の腎病理 IF/TAについて)

久しぶりに投稿です。
すみません、この2−3週間は一つのことに集中しなくてはならなかったので、投稿ができていませんでした。今日一段落ついたので、少しずつ再度投稿していきます。

移植腎の腎生検は理解しなくてはいけない内容であるが難しい。。
やはり、難しい理由としては腎炎の再燃以外に移植特有の拒絶という問題が生じるためである。
拒絶反応は細胞性免疫機序、抗体関連免疫機序に大別される。

萎縮尿細管や間質繊維化を呈する慢性移植腎症の中で原因の明確でないものをIF/TA(interstitial fibrosis and tubular atrophy)と呼ぶ。
つまりこの言葉は、特別な病態がないけど、慢性経過で腎機能障害が進行するというものを示している。
なので、移植後十年以上経過して、腎機能が徐々に悪くなってきたときに、この症例はIF/TAだねっていうのは容易い。

しかし、IF/TAという言葉は特別な病態がないということが前提である。いわゆる低ナトリウム血症におけるSIADHと同様である。
IF/TAには重症度分類があり、間質の繊維化によって分かれる。
Ⅰ:尿細管萎縮を伴う軽度の間質繊維化(皮質領域の<25%)
Ⅱ:尿細管萎縮を伴う軽度の間質繊維化(皮質領域の26-50%)
Ⅲ:尿細管萎縮を伴う軽度の間質繊維化(皮質領域の>50%)

移植の腎生検でもしっかりと鑑別をして、患者さんの治療の方向性を決めてあげるということは本当に重要なことだと感じる。