いくつかのコホート研究で示されてはいるが、明確に示されてはいない(circulation 2014,AJKD 2015)。また、カナダの論文でsystematic reviewもだされているが、それでも明らかな差は認められていない(canadian journal of card 2017)。
今回の論文はアピキサバンを使用した際にどのくらいの容量が治療効果があるのかを見た論文である。
まず、これらの薬について簡単に復習する。
ダビガトラン(プラザキサ)、リバロキサバン(イグザレルト)、アピキサバン(エリキュース)、エドキサバン(リクシアナ)はNOACと呼ばれる薬である。
作用機序別にわけると下記のようになる。
FXa阻害剤
・イグザレルト(リバーロキサバン)
・エリキュース(アピキサバン)
・エドキサバン(リクシアナ)
直接トロンビン阻害剤
・プラザキサ(ダビガトラン)
※ファーマシスタより転記
腎機能別に考える。
・ダビガトラン(RE-LY trial)
-150mg(75×2):CCr50以上
-110mg:Ccr30-50
・イグザレルト(ROCKET-AF trial)
-15mg:Ccr>50
-10mg:CCr15-49
-<15:使用しない
・エリキュース(ARISTOTLE trial)
-2.5mg:CrCl15-29
-<15:使用しない
今回はアピキサバンを見ている研究である(JASN 2017)。
実際に透析患者にアピキサバンを用いたときにどのよう量が効果があるのかを見ている。
7人の患者で行い、
2.5mg×2のアピキサバン内服を開始。7日間見ている。
その後、wash out期間を設けて
5人の患者に、5mg×2のアピキサバンの内服をおこなった。
透析におけるアピキサバンの除去は4%程度であった。
この研究でわかったことは、ワーファリンの代用をするならば2.5mg×2でいいと言う事である。また、5mg×2を用いた場合には血中濃度が高くなりやすい。
では、今後はこの研究から発展して実際にNOACが予防効果があるかをみるかたちになるのであろうか?
出血や虚血は起こってみないと本当に目に見えないものであり、予測は常に難しいなと感じている。その分、薬の効果も判定しづらい部分はあるのかもしれない。