2017年3月15日水曜日

一度でも腎機能障害になったら妊娠に影響あるの?(Pregnancy Outcomes after Clinical Recovery from AKI.)

今回、妊娠と腎機能障害に関して、上記題名のような論文があったのでご紹介する。

妊娠の時は胎児の成長のために腎臓や胎盤がフル活動する!そのため、GFRが正常時より50%以上上昇するのはそのためである。

以前にも記載したが、早期のCKDであっても妊娠にとって悪影響を及ぼすことはわかっている(CJASN 2010)。
また、AKIがCKD進展のリスクになることもわかっている。

では、完全に腎機能の数字が戻ったAKI既往の患者が妊娠したら、何かリスクは上昇するのかというのを調べたのが今回の論文である(JASN 2016)。

研究デザイン:
後ろ向き研究で9年間追っており、AKIはCreの上昇のみで定義(基礎より1.5倍)
合併症として子癇前症、妊娠高血圧、妊娠期間、胎児の体重、周産期死亡、NICU入室、週数より胎児が小さい
などを見ている。

下記のように見ている。

今回の結果では、AKIの既往の女性では、子癇前症、非正期出産の割合、NICU入室率、胎児の影響が優位に高かったとでている。


Limitationとしては、KDIGOの基準に含まれるような48時間で0.3mg/dl以上のクレアチニン上昇の症例は含まれておらず、コントロールに入っている可能性や、AKIの原因は不明なことが多いなどがあげられている。

なので、妊娠した人に過去に腎臓悪くなったことはありませんか?と聞くのも重要になってくる可能性もある。
腎臓は数字上は正常に戻っても何かしらの影響を与えていると考えると、ますます神秘に満ち溢れていると感じる。