2013年5月1日水曜日

White coat

 三年前にいまの病院に面接を受けに来たとき、白衣を着ない先生が多くて(米国東部から来た私は)「いいのかな…」と思った。今は、私も白衣を着ていない。このあいだ外来患者さんが「あなたは白衣を着ていないからいい、白衣高血圧の心配がないね」と言った。白衣高血圧は必ずしも白衣のせいではないが、患者さんがリラックスできたならよいか。
 さて、高血圧は症状が出ないのでsilent killerなどと呼ばれるが、腎臓病の進行を押さえるのにも血圧のコントロールは非常に重要だ。しかし外来の血圧と家の血圧が違うことがよくあり、外来のほうが高ければ白衣高血圧、外来のほうが低ければmasked hypertensionと呼ばれる。どちらも心血管系イベントに相関する(J Hypertension 2007 25 1554)から発見して治療が必要だ。
 もう一つ見逃せないのが夜の血圧で、昼間より血圧が下がらない人をnon-dipper、逆に血圧が上がる人をreverse dipperと呼び高リスク群だ。降圧薬を一つ就寝前にswitchするだけで心血管系リスクが下がる(adjusted HR 0.31、95% CI 0.21 to 0.46)という論文が出て(JASN 2011 22 2313)、adjusted HR 0.31は話がうま過ぎるにせよ降圧剤の一部を就寝前に処方する診療はもはやメジャーと思う。