2013/05/17

あの人もこの人も腎臓内科 1/2

 更新可能で、検索可能で、どこからでもアクセスでき、referenceにリンクですぐ飛べ、知識や経験を幅広く共有できるブログは、新しい効果的な学習ツールと信じている。そして、そう信じているのが私だけでなく、殊に腎臓内科にたくさんいることに勇気づけられる。

 たとえばRenal Fellow Network日米腎臓内科ネットなどは有用なリソースだし、実はあのUpToDate®も腎臓内科医でHarvard臨床教授のBurton Rose先生によって始められた(eAJKDでも活躍しASNの月刊新聞Kidney NewsでDetective Nephronを不定期連載する腎臓内科医Kenar Jhaveri先生の個人ブログNephron Powerで知った)。

 これらの多くはnon-peer review publicationであるから、質の高さと意見の偏りが問題になりうる。しかし、書き手はできるだけ正確に書いてreferenceをつけるし、読み手もそのつもりで鵜呑みにせず疑問があればreferenceにあたれば良い。これからこのメディアと共に、自分も成長し周囲にも何か貢献できればと考えている。


[2020年4月27日追記]バートン・D・ローズ先生が、4月24日に逝去された。長年アルツハイマーと闘病されていたそうだが、死因はCovid-19の合併症という。冥福をお祈り申し上げる。


出典はこちら


 筆者は先生に会ったことはないが、受けた恩恵は計り知れない。UpToDate®はもちろんだし、先生の著書"Clinical Physiology of Acid-Base and Electrolyte Disorders"(写真は5版、お持ちの方も多いだろう)は、フェロー時代に輪読会をした。




 筆者の担当は「ADHと水」だったが、800ページ以上の大著を前に後ずさりしたのを覚えている。しかし読んでみると、ウロコが落ちる連続だった。なかでも、「尿量は溶質量とADHの効きの2点で規定される」は今でも忘れられない(写真は当時のスライドより)。




 先生自身はブロガーではないが、オンライン媒体という点では共通しており、このブログも言ってみれば先生の真似である。それで筆者は、ブログを書く理由を尋ねられるたびに、いつでも誇らしげにローズ先生を例に挙げてきた。

 
 それは、これからも変わりません。先生、ありがとうございました。今後も学び続けます!



こちらを元に作成)