Cardiorenal syndromeという概念が、私はあまり好きではない。概念はたしかに存在し、ご丁寧に分類している人までいる(J Am Coll Cardiol 2008 52 1527)が、「これはcardiorenal syndromeです」といっても全く治療方針の役に立たないからだ。Volumeの評価、心機能の評価、腎血流の評価、それに腎うっ血の評価次第で、治療はどうにも変わる。
そして厄介なのは、腎臓内科と循環器内科でその評価が時としてまったく異なることだ。まあ、それを楽しんで議論・診療できる(基本的にどこにいってもコンサルタントなので)のが腎臓内科のいいところなのだが。いずれにせよ、循環器内科の同僚は循環器雑誌のレビュー(Circulation 2010 121 2592)を読み主張の根拠にしてくるだろうから、私も読んでおこう。