一年前にFEMgなるものを初めて知り、それからCNI(calcineurin inhibitors)やGitelman症候群で遠位尿細管のMgチャネルTRPV5によるMg再吸収が阻害されることなどを学んだが、「FEMgの正常値は?」と問われて知らないことに気づき、実験データを調べた。
このMg好きによるMg好きのための論文(Magnesium Research 1997 10 315)によれば、extra-renal wastingによる低Mg血症患者さんではFEMgが1.4%(0.5-2.7%)、renal wastingによる患者さんでは15%(4-48%)だった。Control群では1.8%(0.5-4%)だった。
腎機能が悪ければFEMgも下がるのではないか?と思われたが、彼らのデータによればrenal wasting群のクレアチニンは1.2mg/dl(0.7-1.4)で、血中Cr濃度とFEMgには相関は見られなかった。
低Mg血症は利尿剤(renal wasting)、下痢、PPI(extra-renal wasting)によっても起こるし、通常は病歴でrenal wastingかextra-renal wastingか分かるはずだが、FEMgが助けてくれるかもしれない。やっと正常値が分かったので、これからもっと使ってみよう。