ADPKDにおいては、基本的に嚢胞が多くて実質が少なくて総腎容量(TKV;total kidney volume)が大きいほど腎予後が悪いわけだが、Mayo ClinicのDr. Vincente E. Torresらは画像診断によってより正確な予後予測とリスクの重層化ができないか研究を続けており、今年その分類を発表した(JASN 2015 26 160)。そこでは、ADPKDがMRI画像に基づいて軽症でおそらくほとんど進行しない1Aからほぼ間違いなく末期腎不全に至る1Eまで五つのステージに分類されている。しかしこれは今のところRCTなどを組む時のためのツールで、MRIの特別な機能(automatic segmentation;J Digit Imaging 2014 27 514)を使わないといけないらしい。ほかにもtexture analysis(虹彩による個人認証のように、腎嚢胞のパターンを分析して予後を予測しようとする研究)、BOLD MRI(酸素消費量をマッピングする技術)、MR elastography(腎の場所別の硬さを見分ける技術)などがメイヨーでは行われているらしい…。さすが学会だ、次から次に新しいことがでてくる。日本にも将来、ADPKDセンターみたいなところができて、これらの技術が応用されるようになるのだろうか。
クマさんがおしっこしないで冬眠できるのも、じん臓が一日に体液の何十倍もろ過してから不要なものを残して再吸収するのも、じん臓の替わりをしてくれる治療があるのも、すごいことです。でも一番のキセキは、こうして腎臓内科をつうじてみなさまとお会いできたこと。その感謝の気持ちをもって、日々の学びを共有できればと思います。投稿・追記など、Xアカウント(@Kiseki_jinzo)でもアナウンスしています。
2015/06/05
Stem Cell & Regeneration 1
私が医学生のとき産婦人科の臨床実習でついた指導医は子宮頚がん手術の名人だったが、その先生がある日「本当は子宮頚がんなんてHPVワクチンで撲滅されて俺の技術が要らなくなるのが一番いいんだよな」とぽろりと本音をもらした。そのとき、先生の心意気に感動したことを私はいまでも覚えている。同じように、私も「いつか末期腎不全に再生医療が行われるようになって、透析も(生体・献腎)移植も要らなくなったらどんなにいいか」と本気で思っている。以前に参加した米国腎臓学会の開会式(につづくstate-of-the-art talk)も再生医療がトピックで同じことを考えたと書いたが。自分の学んできた知識や経験の一部が役に立たなくなることなんて、患者さんがハッピーになることに比べたら小さなことだ。
というわけで、せっかく自分の専門科の学会に来たのだから普段は聞けないような話が聞きたいと「幹細胞・再生」セッションに参加してきた。といっても金曜日の午前中だから参加者は少なめだし、部屋も小さかったから、純粋な臨床医だった聴衆は非常に少なかったと思われる(もしかしたら私だけだったかもしれない?)。尿細管の再生にHGF(hepatocyte growth factor;肝細胞の増殖因子なのに腎臓にも効くなんて面白い)が関係しており、またGDNF(glial cell line-derived neurotrophic factor;こちらは神経細胞の生存を維持する因子だが、腎の発生にも関与している)はHGFの存在下でc-Ret / GFRαRに結合し尿細管再生を促進するそうだ(ただしin vitroの実験だが)。というかいまGoogleでHGFを調べたら、なんとネコの慢性腎臓病にはHGF注射がすでに行われているらしい…知らなかった…。
あとはさまざまな動物モデルで腎に幹細胞を注射して効果を見る発表がつづいた。虚血後再潅流によるAKIモデルの実験は臨床家としては「ATNなんて時間がたてば徐々に回復するから幹細胞の効果とは言えないんじゃないかな?」とも思ったが、まあいいか。幹細胞もいろいろで、ヒトの乳歯の歯髄からとったもの(SHED;stem cells from human exfoliated deciduous teeth)、MSC(mesenchymal stem cell;ANCA関連血管炎にすでに臨床応用されているという…Mayo Clin Proc 2013 88 1174)←ただし組織因子が増えて凝固傾向になるため、韓国や中国でこの治療を受けた患者さんが肺塞栓で亡くなっているらしい;それで組織因子が少なくなるように培養液を薄めたLASC(low serum cultured adipose tissue-derived mesenchymal stromal cells )が安全かもしれないという発表があった、DFAT(de-differentiated fat)細胞、iPS細胞由来のOSR1+ / SIX2 +中間中胚葉細胞、K(idney)-iPS細胞など。
K-iPSはメサンギウム細胞由来のものがオーストラリアの研究室でまず作られ(JASN 2011 22 1213;18歳男性の腎臓から採取され培養されたらしい…腎摘の検体だろうか)、尿から尿細管由来のものがオーストリアの研究室で作られた(JASN 2011 22 1221)。再生腎をつくるには、分化前のepigenetic memoryを残した腎由来の幹細胞から作るほうがやりやすいのかもしれない。まだ「再生腎ができました」という発表はなかった(そんなものがあったらとっくに報道されているだろうから無理もない)が、再生医療の研究をしている人たちが日本にこんなにいるんだなあというのが分かって嬉しかった。明日も同じトピックのセッションがあるので聴こうと思う。あとセッション最後の発表が、iPS細胞からEPO産生細胞を作製して慢性腎臓病モデルのマウス腎臓に10万個打ち込むと、貧血が改善するだけでなく、Hgbが16週間一定に維持され、多血症にもならなかったというのが興味深かった。細胞が賢くてHgb濃度を一定にするようにEPOを調節して産生してくれるのだとしたらすごい。
というわけで、せっかく自分の専門科の学会に来たのだから普段は聞けないような話が聞きたいと「幹細胞・再生」セッションに参加してきた。といっても金曜日の午前中だから参加者は少なめだし、部屋も小さかったから、純粋な臨床医だった聴衆は非常に少なかったと思われる(もしかしたら私だけだったかもしれない?)。尿細管の再生にHGF(hepatocyte growth factor;肝細胞の増殖因子なのに腎臓にも効くなんて面白い)が関係しており、またGDNF(glial cell line-derived neurotrophic factor;こちらは神経細胞の生存を維持する因子だが、腎の発生にも関与している)はHGFの存在下でc-Ret / GFRαRに結合し尿細管再生を促進するそうだ(ただしin vitroの実験だが)。というかいまGoogleでHGFを調べたら、なんとネコの慢性腎臓病にはHGF注射がすでに行われているらしい…知らなかった…。
あとはさまざまな動物モデルで腎に幹細胞を注射して効果を見る発表がつづいた。虚血後再潅流によるAKIモデルの実験は臨床家としては「ATNなんて時間がたてば徐々に回復するから幹細胞の効果とは言えないんじゃないかな?」とも思ったが、まあいいか。幹細胞もいろいろで、ヒトの乳歯の歯髄からとったもの(SHED;stem cells from human exfoliated deciduous teeth)、MSC(mesenchymal stem cell;ANCA関連血管炎にすでに臨床応用されているという…Mayo Clin Proc 2013 88 1174)←ただし組織因子が増えて凝固傾向になるため、韓国や中国でこの治療を受けた患者さんが肺塞栓で亡くなっているらしい;それで組織因子が少なくなるように培養液を薄めたLASC(low serum cultured adipose tissue-derived mesenchymal stromal cells )が安全かもしれないという発表があった、DFAT(de-differentiated fat)細胞、iPS細胞由来のOSR1+ / SIX2 +中間中胚葉細胞、K(idney)-iPS細胞など。
K-iPSはメサンギウム細胞由来のものがオーストラリアの研究室でまず作られ(JASN 2011 22 1213;18歳男性の腎臓から採取され培養されたらしい…腎摘の検体だろうか)、尿から尿細管由来のものがオーストリアの研究室で作られた(JASN 2011 22 1221)。再生腎をつくるには、分化前のepigenetic memoryを残した腎由来の幹細胞から作るほうがやりやすいのかもしれない。まだ「再生腎ができました」という発表はなかった(そんなものがあったらとっくに報道されているだろうから無理もない)が、再生医療の研究をしている人たちが日本にこんなにいるんだなあというのが分かって嬉しかった。明日も同じトピックのセッションがあるので聴こうと思う。あとセッション最後の発表が、iPS細胞からEPO産生細胞を作製して慢性腎臓病モデルのマウス腎臓に10万個打ち込むと、貧血が改善するだけでなく、Hgbが16週間一定に維持され、多血症にもならなかったというのが興味深かった。細胞が賢くてHgb濃度を一定にするようにEPOを調節して産生してくれるのだとしたらすごい。
2015/06/04
Stepping on the toes (or not)?
英語で他の専門科領域に踏み込むことをstep on one's toesと言ったりするが、腎臓内科は他専門科とオーバーラップするので他科のつま先を踏むことは避けられない。たとえば内分泌内科などとは、ADH、RAA系、カテコラミン、糖質コルチコイドなどのホルモンでかぶる(電解質異常や二次性高血圧で)。また糖尿病と糖尿病性腎症が密接につながっている(すこしずれるが米国では膵腎同時移植の膵グラフト管理を内分泌科医ではなく移植腎臓内科医がおこなっていた)。PTH、ビタミンDなどもCa、P異常などの原因検索でかぶるし、腎不全による異常なら内分泌内科ではなく腎臓内科がみる。
内分泌内科の診断は、負荷試験などの精密検査が「何時にどんな体位で何を測定してから何を打って何分後と何分後に何を測る;事前にあの薬もこの薬も入っていてはいけない」など厳密にプロトコル化されているのが凄いなと思う。腎臓内科医に一般化は出来ないと思うが、私など例えば原発性アルドステロン症の診断をするのに、「ホルモンが自動であふれ出ているのならちょっとやそっとスピロノラクトンを投与しても抑制などされないでしょ?」と思ってしまう。しかしこういう発言をすると怒られそうだから、おとなしく仰せの通りプロトコルに従っている。まさに、つま先を踏まないように注意しているわけ。
逆に、どちらも手を出さない領域というのもある。たとえばレニン産生腫瘍などは、そもそも稀な疾患なので経験がある施設が少ない。だからこういう時は腎臓内科と内分泌内科(と放射線科)が知恵を合わせることになる。調べてみると造影CTで腎皮質に腫瘍(小さくてもいい;レニン産生腫瘍は傍糸球体細胞の腫瘍だ)をみつけて、選択的腎静脈レニンサンプリングというのをIVRにお願いしてその腫瘍がレニン産生であることを確認する(海外の報告はJ Hypertension 2008 26 368、日本の報告はIntern Med 2013 52 1937)そうだが、この手技がうまく行かなかったという報告も多いから難しい手技なのだろう。
内分泌内科の診断は、負荷試験などの精密検査が「何時にどんな体位で何を測定してから何を打って何分後と何分後に何を測る;事前にあの薬もこの薬も入っていてはいけない」など厳密にプロトコル化されているのが凄いなと思う。腎臓内科医に一般化は出来ないと思うが、私など例えば原発性アルドステロン症の診断をするのに、「ホルモンが自動であふれ出ているのならちょっとやそっとスピロノラクトンを投与しても抑制などされないでしょ?」と思ってしまう。しかしこういう発言をすると怒られそうだから、おとなしく仰せの通りプロトコルに従っている。まさに、つま先を踏まないように注意しているわけ。
逆に、どちらも手を出さない領域というのもある。たとえばレニン産生腫瘍などは、そもそも稀な疾患なので経験がある施設が少ない。だからこういう時は腎臓内科と内分泌内科(と放射線科)が知恵を合わせることになる。調べてみると造影CTで腎皮質に腫瘍(小さくてもいい;レニン産生腫瘍は傍糸球体細胞の腫瘍だ)をみつけて、選択的腎静脈レニンサンプリングというのをIVRにお願いしてその腫瘍がレニン産生であることを確認する(海外の報告はJ Hypertension 2008 26 368、日本の報告はIntern Med 2013 52 1937)そうだが、この手技がうまく行かなかったという報告も多いから難しい手技なのだろう。
2015/06/02
RS3PE
世の中にはいろんな病名があるが、RS3PE症候群というのは中でも変わった響きのランキングで上位に入ると思われる。R2D2やC-3POに近いものがある(これらは病名ではない;下図)。しかし比較的稀な病気なこともあってか今まで知らなかった。
RS3PEとはRemitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edemaの略で、PMRの類縁疾患と考えられているそうだ。中高年に比較的急性に発症し、性比では男性のほうが多い。
症状は名前の通りで、少量のステロイドが著効するが腫瘍随伴(prodrome)なことがあり胃がん、大腸がん、前立腺がんなどの続発に注意する必要があるという(レビュー論文としてClin Exp Rheumatol 2000 18 4・S20 S53が挙げられていた)。
Medical College of WisconsinにいたDr. Daniel J. McCartyが報告したのが最初だが(JAMA 1985 254 2763)、日本にも多い疾患。浮腫ということで腎臓内科的にも知っておきたい疾患だ(浮腫については、VEGFによる血管透過性の亢進が疑われている;Ann Rheum Dis 2005 64 1653)。
それなのに、いままで知らずに来たのはなぜだろう・・・本当に、勉強することは尽きない。
RS3PEとはRemitting Seronegative Symmetrical Synovitis with Pitting Edemaの略で、PMRの類縁疾患と考えられているそうだ。中高年に比較的急性に発症し、性比では男性のほうが多い。
症状は名前の通りで、少量のステロイドが著効するが腫瘍随伴(prodrome)なことがあり胃がん、大腸がん、前立腺がんなどの続発に注意する必要があるという(レビュー論文としてClin Exp Rheumatol 2000 18 4・S20 S53が挙げられていた)。
Medical College of WisconsinにいたDr. Daniel J. McCartyが報告したのが最初だが(JAMA 1985 254 2763)、日本にも多い疾患。浮腫ということで腎臓内科的にも知っておきたい疾患だ(浮腫については、VEGFによる血管透過性の亢進が疑われている;Ann Rheum Dis 2005 64 1653)。
それなのに、いままで知らずに来たのはなぜだろう・・・本当に、勉強することは尽きない。
2015/05/31
透析患者さんの化学療法
日本の透析患者さんにおいて悪性腫瘍は死因第三位(一位は心血管系、二位は感染症)で、透析患者さんは高齢なこともあり悪性腫瘍に罹りやすい(Jpn J Clin Oncol 2011 41 752)。透析患者さんに化学療法する時には、薬剤毒性と副作用による合併症のリスクと、抗腫瘍効果のベネフィットを慎重に検討しなければならない。どちらが予後を規定するか分からないからだ(performance statusが低い場合はリスクが高くなるだろう;ひとつには低アルブミン血症で薬剤が血中にfreeで多く存在するようになるからだが)。それでもやる時には、どうするか。透析患者さんに細胞傷害性薬剤を投与する場合の腎用量を提案したレビューがあるそうだ(Ann Oncol 2010 21 1395;高齢非透析慢性腎不全患者のものはEur J Cancer 2007 43 14)。が、古い文献なうえに「薬剤調整は要る」「要らない」「データがない」などとしか記載がなく余り使えないそうだ。モノクローナル抗体は網内系で代謝されるため透析患者さんにも使いやすいとされているが、まだ長期データがないので注意は必要だ。また分子標的薬(nibs)は肝代謝だが、高率に重症高血圧を起こしときにPRESまで合併することから、使用時はきちんと降圧することが重要だ(Bull Cancer 2012 99 371)。
EGDTという厄介な用語
EGDT(early goal-directed therapy)という厄介な用語を葬るために、米国でPROCESSスタディ(NEJM 2014 370 1683)、豪州とNZでARISEスタディ(NEJM 2014 371 1496)、英国でProMISEスタディ(NEJM 2015 372 1301)、が組まれていたことを腎臓内科でありながら知らなかった。EGDTは特別な肺動脈カテーテルを使った金まみれのスタディで、プロトコルも輸血だのドブタミンだの余計なことをしているから、「速攻で抗生剤、で最初はどっと輸液して、それでもだめなら昇圧剤、そのあとは引きさがる」という割とコンセンサスのある治療戦略をEGDTと言ってしまうと誤解を受ける。だから、これらのスタディが「EGDTは否定された」と言っても、いまいった常識的な輸液戦略を覆すのではないから、誤解しないことが必要だ。それにしても、アルファベット四文字を葬るために4カ国が3つもの別々のスタディを組まなければならないなんて、アングロサクソン系は他国のスタディ結果を信じるということをしない…trust nobody。
New drugs
米国内科学会日本支部総会で『論文30選』を聴いた。この手のセッションは米国の学会ではどこでもやっているんじゃないかと思う、米国腎臓内科学会でもやっているし、米国腎臓財団の学会でもやっていた(これは演者のトークの切れがよく漫談みたいで面白かったことは以前に書いた)。日本のそれは、やっぱり日本の先生方なので真面目な感じで、それはそれで聴き応えがあった。少なくとも寝なかった(私は受動学習すると寝るか質問するかどちらかなのだが、今回は精神的に負担になるから質問するなと主治医に戒められていたので黙っていたのだ)。
いろいろ新しいことがわかって興味深かった。まずLCZ696(名前はまだない;ARBとneprilysin阻害薬の合剤)とACEIのHFrEFにおける生存率に対する効果を比較したもの(NEJM 2014 371 993)。なぜARBと比較しなかったのか気になる。結局valsaltan 320mg/dとenarapril 20mg/dの比較になっているんじゃないかと思ってしまう。でもneprilysinのことが勉強になった。亜鉛をcofactorにするmetalloproteaseで腎にとくに発現しており、natriuretic peptides, bradykinin, adrenomedullinなどを分解するのでそれを阻害すれば生体の心不全に対するcounteractionが引き出されると推察されるということらしい。
次はnintedanib(nibと言うくらいだからTRI;tyrosine kinase inhibitorだ)が肺線維症の進行を遅らせるというスタディだった(NEJM 2014 370 2071)。ただ介入群の6割が下痢をするらしいから止痢薬を併用したほうがいいかもしれない。何人がどうドロップアウトしたかの詳細な表が書いてないが、介入群のloss of follow-upは1年間で2割前後だったからそんなに悪くはなさそうだ。
あとnivolumabの非小細胞癌に対する有効性を調べた論文(J Oncology 2015 33 1)。NivolumabはT-cell活性化には基本のMHC-TCRとco-stimulatory pathwayが必要だが、これを抑制する系であるprogrammed cell death ligand 1(PD-L1)/PD-1シグナリングをブロックするモノクローナル抗体で、黒色細胞腫に用いられるipilimumabの仲間だ(ipilimumabとnivolumabを併用したスタディがNEJMに出た;NEJM 2013 369 122)。これらのモノクローナル抗体は蛋白尿や電解質異常を起こすこともあるので副作用のところは確認したほうがよい(ことは以前に書いた)。
それからchimeric antigen receptor T cell。PD-1L/PD-1シグナルが入ってもco-stimulatory pathwayが関係なく発現するように受容体の細胞内部分にco-stimulatory pathwayのドメイン(たぶんCD28の細胞内ドメイン?)とTCRのドメイン(CD3 ζ←ゼータと読むらしい)がくっつけてある。これをつかうと予後不良なALLで寛解が得られるらしい(NEJM 2014 371 1507)。ここまでくると何を書いているのか正確なことを書いているのか自分でもわからない。「ふーん」でいい気がする、腎障害を起こさない限りは(笑)。
いろいろ新しいことがわかって興味深かった。まずLCZ696(名前はまだない;ARBとneprilysin阻害薬の合剤)とACEIのHFrEFにおける生存率に対する効果を比較したもの(NEJM 2014 371 993)。なぜARBと比較しなかったのか気になる。結局valsaltan 320mg/dとenarapril 20mg/dの比較になっているんじゃないかと思ってしまう。でもneprilysinのことが勉強になった。亜鉛をcofactorにするmetalloproteaseで腎にとくに発現しており、natriuretic peptides, bradykinin, adrenomedullinなどを分解するのでそれを阻害すれば生体の心不全に対するcounteractionが引き出されると推察されるということらしい。
次はnintedanib(nibと言うくらいだからTRI;tyrosine kinase inhibitorだ)が肺線維症の進行を遅らせるというスタディだった(NEJM 2014 370 2071)。ただ介入群の6割が下痢をするらしいから止痢薬を併用したほうがいいかもしれない。何人がどうドロップアウトしたかの詳細な表が書いてないが、介入群のloss of follow-upは1年間で2割前後だったからそんなに悪くはなさそうだ。
あとnivolumabの非小細胞癌に対する有効性を調べた論文(J Oncology 2015 33 1)。NivolumabはT-cell活性化には基本のMHC-TCRとco-stimulatory pathwayが必要だが、これを抑制する系であるprogrammed cell death ligand 1(PD-L1)/PD-1シグナリングをブロックするモノクローナル抗体で、黒色細胞腫に用いられるipilimumabの仲間だ(ipilimumabとnivolumabを併用したスタディがNEJMに出た;NEJM 2013 369 122)。これらのモノクローナル抗体は蛋白尿や電解質異常を起こすこともあるので副作用のところは確認したほうがよい(ことは以前に書いた)。
それからchimeric antigen receptor T cell。PD-1L/PD-1シグナルが入ってもco-stimulatory pathwayが関係なく発現するように受容体の細胞内部分にco-stimulatory pathwayのドメイン(たぶんCD28の細胞内ドメイン?)とTCRのドメイン(CD3 ζ←ゼータと読むらしい)がくっつけてある。これをつかうと予後不良なALLで寛解が得られるらしい(NEJM 2014 371 1507)。ここまでくると何を書いているのか正確なことを書いているのか自分でもわからない。「ふーん」でいい気がする、腎障害を起こさない限りは(笑)。
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