2011/12/03

Sassari大学

Cyclophosphamideの毒性にも色々あるが、しばしば(ことに小児科領域で)問題になるのが不妊だ。男性不妊にはsperm bankを勧めるが、testosterone療法も試されてている。イタリアSassari大学のグループ(サルディニア島にある)による論文がでてきた(Ann Int Med 1997, 126, 292-295、それにAJKD 2008, 52, 887-896)。
 前者では、testosterone 100mg IM every 15 daysをIV cyclophosphamideと一緒に受けた群(n=5)が、IV cyclophosphamideだけ(n=5)、PO cyclophosphamideだけ(n=5)の群に比べて治療完了後、三か月、六か月たってsperm countが有意に保存されていた。
 後者はpilot studyであった前者の結果を受けて行われたので、randomizationは行われなかった。Testosteronのdoseを増やして(250mg IM every 15 days)、sperm motilityやsperm structural abnormalitiesの保存、testosterone levelの向上、FSH levelとLH levelが変わらないことなども調べた。こういうデータは、自分が患者さんを診療するときに少なくとも根拠にできるから有用だ。