カンファレンスでTINU(tubulointerstitial nephritis and uveitis)の勉強になった。要は尿細管・間質性腎炎にぶどう膜炎(たいてい両側で前房、突然発症する)が合併したもので、診断はソフトだ。そもそも症候群だから単一のentityではないかもしれない。たとえばsarcoidosisの限局型なども混ざっているかもしれず、そのうちLofgren症候群などと並んで分類されるかもしれない。
紹介された自験例は私も少し関与したので覚えているが、眼症状が数週間~数か月おくれたので初めは何の病気やらさっぱり分からなかった。review article(Surv Ophthalmol 2001 46 195)によれば26%でぶどう膜炎が先行、15%で同時発症、そして65%で腎炎に続発したという。
病因は分かっていないが、HLA(DRB1*02)との相関、KL-6との相関、マイコプラズマ抗原を注射したらマウスがTINUになった、IgG4との関係、など色々な人が興味を持って調べている。最近では抗mCRP(modified CRP)IgGが腎と眼の共通自己抗体ではないかという論文がでた(CJASN 2011 6 93)。
IgG4といえば膵炎じゃない?と思っていたが、腎臓でも関係しているようだ。これはべつのトピックとして調べるが、じつはIgG4は日本で主に研究されている分野らしい。IgG4と膵炎(sclerosing)の関係を示したNEJMの論文(NEJM 2001 344 732)は信州大学が発表したし、そのreferenceをみても日本のグループの論文が多い。日本にいた時分に知らなかったのはなぜだろう。