2012/06/07

tram track

 腎病理で学んだ断片的な知識を貯めて、少しずつ様子が分かるようになってきた。"Starry sky pattern"の免疫蛍光染色は、電顕のsubepithelial deposit(hump)。"lumpy bumpy hump"と覚える。subepithelial depositはpost-infectious GNとmembranous nephropathyで見られる。基底膜の中にdepositが溜まると、銀染色で基底膜が黒色、depositはピンク色に抜けるので"tram-track"に見える。慢性腎症の典型的な蛍光染色はdiffuse global granular capillary loop IgG and C3 stain。

 HyalineとfibrinはどちらもHE染色でピンクだが、前者はtextureがhomogeneous、後者はcoarseだ。Trichrome染色で前者は青、後者は赤に染まる。尿細管が膨れて見えるが核がちゃんとしている(膨れていない)時、検体がalkalinized sample(artifact)を疑う。Bowman嚢にはBowman嚢のepithelial cellsがあるが、tubular take offに近い場所にはtubular cellsが見えることもある。また高血圧でperiglomerular fibrosisが見られることもあり、これはfibrous crescentと区別がつきにくい。

 尿細管のasymmetric vacuolizationといえばCNI toxicityが有名だが、他(toxin、ischemia)でも起こる。CNIによるものは、典型的にはvacuoleが大きく泡のように見える。BK nephropathyを疑ったときに用いる染色はSV40 large T antigen。これはポリオーマウイルス全般(BKもJCも)が染まる。podocyteとcrescentの区別がつきにくい時には、前者に特異的なprotein dropletを探すとよい。