2018年3月9日金曜日

フィスチュラ・ファースト 1

 日本と米国の透析医療では無数に違いがあるが、そのひとつがバスキュラーアクセスだ。透析に関する資料は米国だとUSRDSが便利であるが、2017年の年次報告には次のようなことが書いてある(2015年のデータ)。

・透析導入患者の80%がカテーテルで透析をはじめた
・1年後には80%が内シャント(AVF)ないし人工血管(AVG)を用いられた
・血液透析患者全体では、62%が内シャントを用いていた

 バスキュラーアクセスの動向は、下図のようになっている(青線が内シャント)。



 2000年代初頭から内シャント透析患者さんの割合が増えているが、これは意図的なものだ。この頃から米国では、フィスチュラ・ファースト・ブレイクスルー・イニシアティブ(フィスチュラとは動静脈瘻、つまり内シャントのこと)いうカッコいい名前のキャンペーンが張られた。

 このあと2-3回にわけて、フィスチュラ・ファーストと言ういわば医療における「カイゼン」の歴史を振り返り、高齢化などで確実にカテーテル患者が増えていると思われる日本の動向を探り、最後に長期留置透析カテーテルについて基本的なことを押さえてみようと思う。

(写真は1940年に起こったアメリカ・ファースト運動の集会。欧州の戦争に介入しない孤立主義を訴えたが、真珠湾攻撃の4日後に解散した)